
https://www.fsa.go.jp/news/r2/shouken/20201130-1.html
金融庁は、令和2年11月30日、株式会社東京証券取引所及び株式会社日本取引所グループに対して行政処分を発表しました。
処分理由としては以下が挙げられています。
東証においては、平成30年10月のシステム障害の発生を契機に各種の対応策を講じてきたにもかかわらず、再びシステム障害が発生し、取引開始から取引時間が終了するまでの間、全ての取引が停止に至ったことは、金融商品取引所に対する投資者等の信頼を著しく損なうものであると認められる。
原因としては、以下が挙げられています。
(1)東証と業務委託先は、システムの仕様と機器の製造元から提供されたマニュアルとが相違していたために機器の故障時に別系統への自動切り替えが行われない設定となっていたことを把握していなかった。
(2)売買を通常の方法で停止させるために複数の手段を準備していたが、いずれも故障が発生した機器の正常稼働を前提としていたため、通常の方法によらずに売買を停止せざるを得なかったことが当日中の売買再開の大きな支障となった。
(3)これまで、通常の方法によらない形で売買停止に至った場合においては、当日中に売買を再開するとの事態を十分に想定していなかったため、東証と取引参加者との間で障害発生時に注文受付を制限するルールや売買停止までに受け付けた注文の取扱いについてのルールが未整備であった。
証券取引所は、その社会的な責任から結果責任として非常に重い責任を負っています。今回の障害はシステム監査に関与する方々に大きなインパクトや示唆を与えることにつながったように思います。