
金融庁は、2020年3月10日にブロックチェーンのオンラインカンファレンスの模様を公開するとともに、Blockchain Governance Initiative Network(BGIN)について発表しました。この活動は、金融庁的には、2019年のG20の首脳宣言の内容とも整合的であるということでステークホルダーの一員として活動に関与していくとのことです。
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20200310.html
金融庁および日本経済新聞社によるオンラインパネル討論は、BG2C公式サイトより視聴できます。
https://www.bg2c.net/panel_discussion.html
「BGIN」は中立的な場から、次の3点の目標を掲げています。
- オープンかつグローバルで中立的なマルチステークホルダー間の対話形成
- 各ステークホルダーの多様な視点を踏まえた共通な言語と理解の醸成
- オープンソース型のアプローチに基づいた信頼できる文書とコードの不断の策定を通じた学術的基盤の構築
ブロックチェーンのプレイヤーは非常に多種・多様で、複雑な様相を呈していますが、ブロックチェーンのガバナンスの在り方の一つの重要なコミュニティとしてBGINが位置づけられることになりそうです。
内部監査の視点
ブロックチェーンは、今後5年から10年程度をかけて幅広い領域に適用が進む技術とされています。これまでは仮想通貨のような金融領域が中心でしたが、今後はスマートコントラクト(契約手続)や製造物責任の追跡・トレースといった分野も見込まれています。ブロックチェーンが企業活動や消費・生活活動に広く普及した場合、内部監査の対象となってくる可能性が高く、また、自社がブロックチェーンを活用した事業を行う可能性もあるでしょう。
IIA基準1210.A3でも、内部監査人は、個別監査を遂行するにあたって重要な情報技術(IT) のリスクおよびコントロール手段についての十分な知識を持つことを求められています。ブロックチェーンのすべてを理解する必要はありませんが、内部監査としてリスクとコントロールを評価するためにどのような知識が必要なのか、この点を念頭に置きつつ最新動向をウォッチしていく必要があると思います。
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